まいど!調査員イルカです
私は今会社員をしていますが、大学卒業後の数年間は公務員として勤務していました。
今回はなぜ公務員を辞めたのか、公務員の職場環境や嫌だったこと、組織の裏側を許される限り洗いざらい吐き出そうと思います。
個人情報などの重要な情報は伏せてお話しますので、そこはご安心ください。
もくじ
人気どころの官庁に就職
私が大卒後すぐに入った官庁は国家系の人気官庁でした。
おそらくパワーバランスでいうと省庁の中でもトップ。
公務員試験は法律・経済学などの専門科目と、数的処理や高校レベルの教養科目をまずは突破する必要があります。
一部分離され専門試験となっている採用枠もありますが、大体の省庁では総合職試験や一般職試験などの共通試験合格者から、採用者を選定していかなければなりません。
人気がある官庁では試験合格後の面接(職場訪問)の競争が激しくなっており、私の場合も5回の面接をやってなんとか補欠候補で最終まで残ることができました。
それでも民間の大企業に比べたらはるかに低いです。受験者の倍率は7~8倍程度だったかと思います。
縦割組織

ひとえに公務員といっても、省庁・自治体によって財政状況・環境・仕事にかなり差が出てくるのが実態です。
国家系では金を握っている財務省系列の官庁(財務省、財務局、国税庁、税関)は予算が充実しており、また国土交通省系(整備局など)もインフラ整備のため多大な予算が割り振られ、その分残業代が100%ついたり、きれいな庁舎で勤務ができるなど良い職場間で働きやすくなってきます。
その分こういった省庁は受験生のあこがれの的で、面接希望の受験生は多くなってくるため、採用試験はより競争が激しくなってくるのです。
これは地方公務員でも同じ。特に政令指定都市の自治体は非常に人気があり、公務員試験の中でも難関の枠となっています。
一方で人気がない省庁は、要は予算に余裕がない省庁。中でも法務省は意外なのですがパワーバランスでも最弱となっています。
こういう官庁は残業代が一部しかつかなかったり昇給の上げ幅が抑えられたりなど、賃金に大きく影響してきます。またPCなどの備品が不十分だったり、ぼろくて汚い執務室など職務環境は悪い傾向にあります。
同期はどんな人達?

当時の同期たちは、やっぱり頭のいい人たちしかいませんでしたね。
私の勤務していた省庁では、入ってすぐ日本全国の同期が一つの研修所に集まって2か月間の研修生活を共にします。研修では朝から晩まで講義を受けたり、課題に取り組んだり、施設の見学ツアーに行ったり大学の延長のような毎日。
そこでは100人以上の同期たちを見ることができました。
公務員になるには難しい試験を突破する必要がありますから、その人たちの学歴もなかなか立派でしたね。MARCH、関関同立、地方国立大学出身者が大多数を占め、旧帝大や早慶卒の人たちも一定数いました。
そして面接を何度も突破できるほど人柄も立派で、まじめでかつ少し明るさがあるような人が多い印象でした。
若手職員は何してるの?

難しい採用試験をパスしたといっても、職場では何もわからないひよっこです。
最初は先輩職員と机を並べてマンツーマンで仕事をしていきます。電話対応、資料のコピー、法令の確認、書類の整理などなど。
基本的に雑用係ですね。なんでもさせられます。ほんとにめんどくさいですよ。パワハラに近いような怒られ方もされますし、飲み会のセッティングもしなくてはいけません。
あと、何かと合格者座談会とかリクルートイベントに出席させられたり、めんどくさい採用関係の仕事も押し付けられてきます。新人に断る人権なんてないのですから、どんなに忙しくとも快諾しなくてはいけません。
仕事がつまらない

はっきり言って、事務系公務員の仕事は超つまらないです。書類の処理、クレーム対応、決裁文書の作成、書類の編綴、内部のやりとり。これがずっと続く感じですね。
公務員の仕事というのは、責任を逃れるために屁理屈をつけて上手にその場をやり過ごすかが重要です。理由をつけるためにくだらない書類を何時間もかけて作って、何人もの上司の決裁を乗りこえればクリア。
わたしはこのくだらない意思決定方式が嫌で辞めました。文書のための仕事のつまらなさを体感して嫌になったんですね。
異動が多い

公務員には異動はつきもの。約2~3年サイクルで別の部署に異動して様々な業務を経験していきます。公務員の仕事は本当に多種多様で、部署が変われば全く異なる分野での仕事をすることになります。
私個人的には仕事に飽きないでいろんな業務を経験できるので、このことに関してはプラスにとらえていました。
特に地方自治体ではたくさんの分野の業務がありますから、毎回目まぐるしく職場状況が変わってきます。例えば戸籍関係の住民課の部署から、建築許可などの不動産関係の部署移動となった場合、必要とされる法律関係の知識を1から勉強し直さなくてはいけません。
これは意外と大変で、全く知らない法令なのに電話で質問があった場合には、自分で法令集を調べて回答していく必要があります。
また、遠い事務所に異動となった場合には引っ越し作業もしなければなりません。私も数年の勤務期間ながら、3回引っ越しをしました。
民間や財団法人への出向もある
あまり世間には知られていませんが、公務員も一つの省庁・自治体だけで一生を終えるわけではありません。
民間会社、国、自治体、財団法人などでは相互に人材交流をしていて、一部の職員は出向し別の組織で勤務することもあります。例えば、国家公務員がメガバンクに出向することもありますし、田舎の地方公務員が厚生労働省に出向することはよく聞かれる事例です。
私がいた省庁でも市役所や財団法人、有名な国際機関に出向した同僚もいました。まったく珍しいことではなく、むしろ積極的に人材交流がされています。
若手、女性職員は離職率が高い

公務員は安泰だから、辞める人なんてほんとにい一部の人だけでしょ、なんて世間のイメージはあるだろうと思います。
たしかに公務員の仕事は楽だし、給料も安いですが毎年すこしずつ昇給するため環境は非常に安定しています。ただ、とはいっても途中でやめてしまう方々は一定数いるのは確かです。
私も含めて、同期全体でも数年で1~2割はすでに退職していましたし、また女性は育児や旦那さんの都合で辞めざるを得ない状況になり、30歳、40歳の係長以上の人たちでも突然辞めたりすることもあります。
定年退職まで残っている職員はほとんど男性、定年まで残る女性職員は少数となっているのが公務員の状況です。
さいごに
私は途中で退職してしまいましたが、それでも公務員というのは労働環境面で非常に恵まれていると思いますよ。もちろん部署などによっては100時間以上の残業がつきものだったりするのですが、大体の部署は数時間の残業しかないようなホワイト部署です。
もちろんパワハラはあります。若手のうちは怒鳴られたりするので、あまり公務員に幻想はもたないほうがよいでしょう。
公務員に向いている人は、法律に興味がある人、いろんな業務を経験したい人、たくさんの転勤・引越しに耐えられる人だと思います。
これから公務員を目指される方に少しでも参考となることができたら幸いです。